地雷を踏んだらサヨウナラ ★★★★☆

カンボジア内戦において行方不明となった戦場カメラマン、一ノ瀬泰造の話。
まず見終わった率直な感想として、カンボジアに行きてぇなと思った。一ノ瀬泰造を写真家として駆り立てたアンコールワットを是非見てみたいなと単純に思った。現実に一ノ瀬が最後の最後にアンコールワットの写真を撮ることができたのか、それはわからないが、映画での終わり方は結構好きだ。
当時でもポル・ポトを中心としたクメール・ルージュの凶暴さ、気にくわなかったらすぐに殺すという情報は伝わっていたはずなのに、それでもクメール・ルージュの本拠地に向かわざるを得ない心境、それはまったく理解できない。命を賭してまでせねばならないことは今のところ、無い。それは多くの人がそうだろう。
一ノ瀬が、ただアンコールワットを撮りたいというのならなにも戦争中で無くてもいい。彼が撮りたかったのは戦争中の、クメール・ルージュの象徴としてのアンコール・ワットなのだろう。物語でも描かれているように、戦場カメラマンに求められるのは感傷的な写真だ。しかし彼を突き動かしたのは、戦争はダメ、カワイソウという感傷的なものではなかった。彼がフリーの立場で撮りたいものを撮る。たまたまそれが戦場だったなんて言うと聞こえがいいが、本当にそうだったのかもしれない。

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