オーストラリア ★★☆☆☆

オーストラリアの話。

長い。この内容で3時間弱は体感でもかなり長かった。ストーリーは「意地悪な大地主と、それに挑戦する新参の弱小女地主」という勧善懲悪のパターンになるかと思いきや、2時間弱の所でそれは寸断され、WWIIの戦禍を加味した親子(厳密には違うが)の再会感動話に変わってしまっている。

これでは、それまで育ててきた悪役としてのフレッチャーが全く活かされないし、見てる側も消化不良でなんのこっちゃわからんし、かといって再会話が見るべき内容かと言えば過去にアホほど描かれた描写であるし、なぜ二部構成のような内容にし、時間を長くしたのかがわからない。敢えて「オーストラリア」というタイトルを付けているのだから、前述の前半部分の勧善懲悪をベースに、アボリジニの扱いや発展の歴史を描くので十分魅力的な作品になったと感じる。

実際牛追いに出発する前、カウボーイ+ミセス・ボス+子供+召使い+料理人+酔っぱらいという組み合わせで牛追いの旅に出かけるというのは、漫画のようだが道中の出来事に期待がもてるキャラクターの組み合わせだったのにあっさり死ぬし、水を求めてアボリジニの秘境に行くくだりもなぜかばっさりカットされダーウィンに飛んでしまうし、使えば面白そうな部分をことごとくはずして時間を削って、その分をなぜか再会感動にねじ込んでいるような印象だ。

とこのように、内容としてはいい材料を活かしきれず中途半端に感じるが、ただし主演がニコール・キッドマンということで、そのパーフェクト超人ぶりは少々の年齢を重ねても揺らぐことなく相変わらず見栄えが良い。前も何かの映画で書いたが、単なる美人さんというよりは存在として魅力的である。

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