大学通信教育の概要

 そもそも、大学の通信教育とは何かを知らない方も多いと思うので、初めにこのシステムについて説明することとする。
大学が通信教育を行っているという話を聞くと、知らない人は公開講座のような一般市民向けのカルチャースクールのようなものを思い浮かべるかもしれない。しかしながら、このシステムはれっきとした正規の教育課程であり、戦後の新制大学発足とほぼ同時にスタートした、かなり歴史のあるものである。
正規の課程ということで、当然のことながら通常の大学の課程と同様の学習量が規定されており、最低4年間の在籍と124単位の取得をもって学士の学位が授与されるというのも通学課程と同様である。ただし、通信教育はその学習方法に特徴があり、以下の2通りの学習形態を併用することを基本とする。
通信授業:
テキストを学習し、課題に基づいてレポートを提出する。その後、科目試験を受験し、レポート・試験双方の合格で単位取得となる。
面接授業:
別名スクーリング。いわゆる教室で行う通常の授業のことを指す。通信教育にもかかわらず、スクーリングは必須であり、卒業所用単位数の1/4はスクーリングで取得する必要がある。
というわけで、通信教育といえども大学に通う必要があるという点がこのシステムの大きなポイントである。このスクーリングがあることで「大学生」の意識を持つことができる一方で、時間のない社会人にとっては卒業への大きな壁となるのである。

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