慶應義塾大学通信教育課程:概要

これまでも書いてきたとおり、慶應の通信教育課程はもっとも古い大学通信教育の一つであり(法政に次いで2校目)、それゆえ採用している制度はもっともオーソドックスなものであるといえる。以下、簡単にその特徴をまとめる。

  • 学費が低廉である。
  • 基本的な学習手順は以下の通り。
    1. テキスト・参考書を読む
    2. レポートを作成する(科目によって異なるが、基本的には4000字以内)。
    3. レポート提出・受付の時点で科目試験受験資格が発生
    4. 科目試験を受験
    5. 試験・レポートがともに合格した時点で単位取得
    6. 卒業所用単位の1/4はスクーリング(要するに普通の講義)で取得
    7. 一定の条件(所得単位等)を満たすと卒業論文指導を受けて卒論作成開始
    8. 半年ごとに卒論指導を受け、提出可能となれば卒論提出
    9. 卒業所用単位の充足・卒論の提出が終わると最後に卒業試験(卒論審査と面接試問)を受け、合格であれば卒業
  • 大学側からのサポートは薄い。科目試験の受験から卒業の申告まで基本的にはすべて学生側からのアクションによって実施される。
  • その代わり学生の自主的な集まりである「慶友会」をサポート

とりあえずこんなところにしておくが、要するに「学士となるための道筋(カリキュラム)とリソースは用意した。これをどう利用するのかはあなた次第だ。」というのが大学側のメッセージであろうか。ある意味突き放した姿勢である。
さて、この慶應の大学通信教育であるが、日本屈指のブランド私大が実施していることもあって、インターネット上には様々な噂が流れている。この中には、当然ながら確かにそうだと頷けるものから本当にそうだろうかと首をひねるものまで様々なものがある。次回以降は、これら噂を、筆者のこれまでの体験と資料から検証していきたいと思う。しかしながら、当然ながら筆者はこの通信教育の全貌を把握しているわけでもないし、まだ卒論指導を受けている段階で卒業すらしていない。また、慶應通信以外には通学課程の大学を1校卒業しているのみであり、他の通信教育や通学課程との比較が適切にできるかどうかもわからない。というわけで、今後記載する事項は、あくまでも筆者の主観であるということをあらかじめご承知願いたい。
その代わりに、筆者が有用だと感じた通信教育に関するWebサイトをいくつか紹介する。
大学通信教育つれづれ
9つの大学通信教育を体験されている方が通信教育の特徴について記載されているブログ。慶應通信も卒業されているが、かなり昔であるため記載内容に現状と異なる点もあるが(ご本人もその旨断りを入れている)、実際に体験した上での各大学の通信教育比較はほかにできる方がなかなかいないため、とても参考になるサイトである。
ようこそ!アトランティスへ
2007年に慶應通信を卒業されたアトラン氏によるサイト。氏は他の通信教育も体験されており、それらと比較した現在の慶應通信の内容が豊富に記載されている。何より氏のエネルギッシュな姿勢がにじみ出たテキストを読むと、こちらもやる気にさせてくれる。
通信制大学体験記
1994年に慶應通信を卒業された方のサイト。これも情報は古いのだが、慶應通信での勉学の仕方が網羅されていて、非常に参考になる。筆者はこのサイトを読んで慶應通信に入学しようと決意した。
以上、例によって次回も更新間隔は長いと思うが(もうすぐ科目試験でもあるし)、今後ともご愛読いただければ幸いである。

「慶應義塾大学通信教育課程:概要」への4件のフィードバック

  1. >kou-shiさん
    自分のハンドルネームをネット検索してたら辿り着きました。自分のページが紹介されていて、びっくりです。実は、ここはそれ以前から知っていたサイトで時々、拝見させていただいておりました。
    ご紹介、及び、お褒めいただいて、ありがとうございます。

    記事、とても面白く見せていただいております。これからも読ませてください。
    楽しみにしております。

    (尚、僕のハンドルネームを騙る「ニセ者」があちこちにひどい罵詈雑言や無断コピーをばらまいております。
    書いた文言の品格で、真贋をお見抜きいただきますようお願いいたします。
    また、記入しましたmailはスパムメールだらけで使用しておりません。
    もし何かありましたら、僕の掲示板へ書き込みください。)

    1. コメントありがとうございます。
      以前からアトランさんのサイトを読ませていただいておりました。貴重な情報を提供していただき、ありがとうございます。
      「ニセ者」については、アトランさんのサイトや別サイトでのコメントとは明らかに雰囲気が違いましたので、すぐわかりました。目立つユーザのハンドルネームを詐称して暴言を書き込むというのはネット上ではありがちですが、自分に降りかかるとたまりませんよね。このような悪意に負けずに有意義な情報を発信されることを願っております。

  2. 追伸
    記入mailアドレス、間違って使用中の方を記入してしまいました。
    でも、ちょうどWEB上に表示されなかったので、そのまま返信していただければ、やりとり出来ます。もしよろしければ、メールください。

    1. あと、メールアドレスは念のため削除させていただきました。アドレス自体は控えておりますので、今度機会があれば連絡させてください。ちなみに、私の表示されているアドレスはダミーです。

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