特集は「はじめてのUNIXシステム管理」。なんかやっと見慣れた記事になった気がする。アカウントやパーミッションの管理、バックアップなど今でもほぼ変わらない管理手順が並ぶ。このへんは進歩がないのか、最初から高い完成度の仕組みだったのか。

連載「平成こだわり倶楽部」の本号は「Shellの話」。昔はエディタと同じくらい好みのシェルの話があった気がするけど、最近はLinux + bashでほぼ固定になっているかなあ。まあ自分が触るマシンはOSセットアップ後に顧客納品するためのものだから、好みのシェルなんて使えないんだけど。

海外在住者がアメリカ事情を紹介する連載がいくつかあるんだけど、この頃はアメリカが不景気だという話で溢れている。この状況から新たな産業を起こして現在のように復活したアメリカの底力を今から振り返ると感じる。

特集は「夏にSPARC!SPARC新製品とSolaris2.0」。Sun陣営の新プロセッサ及びOSの特集だ。当時はSPARC搭載のUNIXワークステーションが松下や東芝からも出ていたのね。そしてSolaris 2.0。2.0といってもこれこそがいま自分たちが認識しているSolarisで、Solaris 1.0というのはそれまでのBSD系のSunOS 4.1をあとづけて読み替えただけのものだ。だから結局2.xの2は省略されて今は小数点部分がメジャーバージョンなのね。
個人的にはこういう特集記事の最後にまとめて紹介されているサードパーティ製ソフト・ハードの記事が好き。中身はともかくとして会社名と住所が書いているので、この会社はこのあとどうなったのか(合併?社名変更?)とかこの住所の場所には今何があるのかを勝手に想像するのが楽しい。全然本筋じゃないけど。ちなみに今回の記事で今も生き残っているプロダクトはMathmaticaくらいかな。

あと連載記事等を改めて眺めるとNeXTの記事ばかりだね。Wikipediaによると編集者の趣味らしいけど。このままNeXTがうまくいっていたら今の世の中はどうなっていたんだろう。

本号の一番のトピックは、なんと言っても「Internetをはじめよう」という記事だ。Wikipediaによると、一般のコンピュータ雑誌でインターネットを取り上げた最初の記事だったそうな。まだインターネットが一般開放される前だったので、インターネット=junetという扱いで記事が進んでいくのがおもしろい。ドメイン名取得のための問い合わせ先として日本ネットワークインフォメーションセンター(JNIC)の住所(東大大型計算機センター内)が載っていたりとか、今では考えられないのどかな記事だ。でもこれが今につながっていることを考えると感慨深い。

その他、特集が「ワークステーション=PCネットワーキング」だったり、BSD/386(1992年6月号で触れられていた386BSDとは別、後のBSD/OS)の記事があったりとか、今につながっていく技術が取り上げられている号だ。

本号の特集は「UNIXの表計算ソフトウェアの魅力」。この当時の特集は、UNIX機ワークステーションを次世代PCとして利用しようというものが多かった気がする。すでになくなっているものばかりだけど、知っているのはLotus1-2-3(のSPARK版)とアシストカルク(レビューしているのはアシストカルクGOLDというエディション)くらいかな。この記事で初めて、アシストカルクがアシスト社の開発ではなくて米国製ソフト「20/20」のローカライズだということを知った。へー、と朝の通勤電車で読みながら思っていると、会社でもちょうどその話題が出てびっくり(2020年と引っ掛けての話題だった)。自分の中でだけタイムリー。

もう一つの特別企画は「Xターミナル活用法」。いわゆるX端末ですな。今だとWindowsマシンのXサーバソフト(XmingとかMobaXtermとか)使う話になると思うけど、当時は専用のX端末がありましたな。大学の情報処理センターにもあったな(20年前の話)。

新連載が始まった。「OSF/1プログラミング入門」。記事の中でおおっと思ったのが「ファイルシステムとLVM」という節。LVMってこの頃出てきたのね。意外と古いんだ。

本号の特集は「簡単自慢!UNIXのGUI構築ツール」。先月号に引き続きX-Window上のGUI開発の話だ。前号がライブラリ中心の話だったのに対して、今回は開発ツール側の話。まあこのあたりはそういう時代だったよね以上の感想はないかな。。。

ちょっと気になった記事は「Cユーザのための実践的C++入門」という連載記事の冒頭部分。386BSDが出た、という話で、「プログラムに惚れ込んだ人というのは何をしでかすかわからないもので、先日IBM−PC用のフリーBSDを作ったやつがいる、というニュースが飛び込んできました。」という出だしから興奮が感じられる。SD誌で最初にPC-UNIXが言及された記事かも。386BSDが行き詰まってFreeBSDが登場したことを考えると、ここで書かれた「フリーBSD」が後の予言みたいでちょっと楽しい。

あとちょっとだけ仕事と関係があるのが、SPECのニューベンチマークセットがリリースされた、というもの。リリース番号は2.0で、評価基準がSPECint92とSPECfp92だそうな。仕事ではよくSPECint2006にお世話になっております。自分で計測しているわけじゃないけど。

本号の特集は「入門!X Windowプログラム」。時代的にまだまだこの頃はプログラミングに関する記事が多い。Xlibによるプログラミングが記載されているけど、これは相当低レベル(HWとかOSとかのレベルに近い、という意味ね。念のため)のライブラリなので、これでプログラミングするのは相当きつそう。

あとはOSF/Motifについての記事もある。うん、かろうじて聞いた覚えがある。あとは市販のGUI開発ツールが紹介されているけど、全然聞いたことないなあ。

新連載で「POWER FACTORY」というのが始まっている。IBMのPOWERプロセッサについての紹介記事だけど、例のIBM・Apple・Motorolaの提携がすでに進んでいて、POWER PC(後の登場時の名称はPowerPC)を’94年には発表するロードマップが発表された頃のようだ。実際に出たのはいつだっけ?(今調べたら予定通り94年に出たようだ)

特集は「これからのUNIXエディタ活用法」。毎度お馴染み、vi vs. Emacsから始まり、商用エディタMAX EDITORの話など。viはすでにこの時点で時代遅れの古臭いエディタ扱いされているが、そこから四半世紀たった今でもサーバ管理用途などではまだまだ現役(だよね)。

もう一つ面白かったのは「覆面座談会 X11R5 国際化対応ライブラリ「Xsi」完成の背景」という記事。このころX11R5がリリースされたのだそうだけど、そこで取り込まれた2つの国際化対応ライブラリ(要はインプットメソッド)のうちの一つ、Xsiの開発者らしき人たちの裏話が読める。もう一方のXimpが日本国内のことしか考えていないとかいろいろ辛辣な話題も多い。ちなみにググったらXsiはオムロン1社であるのに対して、Ximpは富士通、ソニー、富士ゼロックス、沖、東芝、日本サン・マイクロシステムズとUNIXメーカーがズラリ。なんか分が悪そう。

ちなみに更にググったら、結局X11R6ではXIMが登場してそちらに統一され、XsiとXimpは削除されてしまったそうな。

毎日更新と言いつつ、早速体調不良で一日飛ばしてしまった。残念。まあこりずにのんびり行きます。

本号の特集は「UNIX活用の要!データベース総点検」ということで、おそらくSD誌最初のDB特集なのかな?一応筆者はデータベース及び関連製品のプリセールスやコンサルティングが本業なので、大好物な分野だ。
記事は当時おそらくまだ珍しかっただろうRDBMSの説明と製品群の紹介などがメイン。面白かったのはRDBMSそのものよりも周辺の開発環境に言及している部分が多かった点。4GL(第4世代言語)なんて今はめったに聞かなくなった単語が頻出し、いかに帳票や画面が手軽に開発できるかという部分に注力を挙げていたようだ。いまだとそちらは汎用的な開発環境に任せ、DBはJDBCから呼び出せばOK、ってことになってもっぱらRDBエンジンの話中心になるので、ここでも時代の流れを感じる。
取り上げられているDBMSは以下の通り。

  • Informix
  • ORACLE
  • SYBASE
  • UNIFY
  • Empress
  • INGRES
  • G-BASE
  • Easy-Call
  • GemStone
  • ObjectStore
  • ONTOS
  • VERSANT
  • Objectivity/DB

なお、GemStone以下はOODBMS(オブジェクト指向DB)だ。知らないものも多いなあ。この中でそのまま繁栄しているのはOracleくらいか。InformixはIBMに買われ、SYBASEはSAPに買われてどちらも虫の息だけど、SYBASEのWindows版はSQL ServerとしてRDBMSの勝ち組に。INGRESからはPostgreSQLが生まれ(Ingresもまだ生きてるし、筆者もバッチリ仕事で関わっているが)、あとはここにはないMySQLが今の代表的なRDBMSか。OODBMSは知識がないのでわからん。

一般記事や連載は相変わらずオブジェクト指向とNeXTが多い。なんとなく記事の著者たちのノリが当時のパソコン雑誌を思い出して、今のSD誌とは違った雰囲気だ。これがここから20年でどのように変わっていくのか、それが一気に読み進める理由だったりする。

本号の特集は「実践第一!こうすればできるネットワーク」。UNIX系雑誌なのでTCP/IPネットワークの話が進んでいく。NFS, telnet, rsh系コマンドなど現在でもおなじみの(rsh系はsshに置き換わったけど)内容が続いて、今読んでも十分役立ちそう。
新連載では「コマンド探検隊」というのがスタート。第1回はcsh (1) とのことで、そういえば昔はcshも結構使ったなあと懐かしく思った。最近はLinuxしか触らないからbashばっかりだもんね。
この頃の本誌にはコラムが多いのだけれども、この頃の主な話題はUNIXの標準化の話(OSF/1 vs SVR4とか)やNeXTの話(技術系の連載にも多い)、あとこれからのCPUはRISCだ、とかの話題。自分がPCに触り始めたのがちょうどこの頃なので、当時の空気感をちょっと思い出した。

ちょっと面白かったのが「ほろ酔いUNIX」という連載にあったこんな挿絵。

どのOSが生き残るのか、というオッズだと思うのだけれど、26年後の今の状況で答え合わせをすると、
・Windows NT
・NeXT(の子孫であるmacOSとiOS)
の2つかなあ。
あとはSVR4系のUNIXとSolarisは息も絶え絶え、そしてこれらを駆逐した、この当時は学生が作ったUNIXもどきのおもちゃでしかなかったLinuxが3つ目の勝者だろうか(そういう意味では「その他」だね)。

再開、と言いつつまた1ヶ月放置していたので、今度こそ本当に再開。
まずは再開以前にやっていたSoftware Designのバックナンバーレビューの続きをやることとする。

前回は1991年まで終わったあと、古い記事は飽きたとばかり2014年に飛んで終わっていた。よって再開するのは1992年1月号から。目標は1日1号。とりあえず手元には2017年12月号まであるので終了まではまだまだ先だが、週ベ60周年企画の創刊号から毎日1号レビュー(単純計算で年50号 x 60年 = 3,000回?)に比べたら全然たいしたことないしね。

というわけで1992年1月号。特集は「これでいいのか?UNIXの日本語環境」というもので、まだまだ混沌としていた文字コードと入力環境、そして各種アプリケーションの話だ。筆者は勘違いしていたのだが、EUCはShift-JISと並行して普及していたわけではなく、Shift-JISから移行していったのね。Unicodeは1.0がすでに前年に登場していたらしいが、CJKが取り込まれたのは1992年6月とのことなので、この記事では影も形も出てこない。

あと一般記事ではC++とオブジェクト指向言語の話が多めかな。当時もてはやされていたらしいオブジェクト指向言語のEiffelって、今はどうなっているんだろう。
その他に気になったのは、新連載「体験的Interface Builder入門」。このNeXTの開発環境が、OSX / iOSの開発環境として数年前まで使われるくらい長生きするとは。そもそものできが良かったってことかな。

なお、この号では丸山不二夫氏が2本記事を書いていたが、ちょうど今日丸山氏のセミナー(マルレク)に参加していたので個人的にはタイムリーだった。