中国の鳥人 ★★★★☆

宝石の鉱脈を探し、中国奥地の辺境目指す和田と、和田の上司の借金取りで中国くんだりまで追いかけてきたヤクザ氏家が、ウサンクサ通訳とともに辺境にやってきて、あまりの美しさに世知辛い現代社会に嫌気がさす、こんな感じの話。
この類の感動は好きだ。涙なしの感動。感動物語では登場人物に泣かせて、観る側にも涙アリの感動をある種強要するというか、ここは泣かんといかんやろうみたいな場面をつくりだすものもあるんだが、というかこういう風に考えてる時点で感動するに値しない人間なのかもしれないが、そういうの嫌いです。
この映画のように、じんわりとした感動を与えてくれる作品は意外に少なく、テレビ番組なんかでも変なタレントを辺境の地にホームステイさせて、同じ様な感動を作り出そうと必死だが、如何せん映画は見せ方が断然うまい。鳥人学校の先生の歌は、英語のような中国語、過去と未来をつないでいるような感じで、素直にしびれる。
通訳のやつがわざとかどうかはわからないが、とんでもなく胡散臭い日本語を使うのでかなりおもろい。本編とは関係ないけど。
最後には鳥人が空を飛んでいるシーンがあって、そう、あれは飛べなきゃダメなんだろう。どうもこの辺境の村の生命線、文明と非文明との分かれ目はこの鳥人の存在らしい。そのつなぎ目がかつて世俗にまみれていた氏家というのもなかなかオツな終わり方だ。

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