シュリ ★★★★☆

現代の朝鮮半島。過去の対立は沈静化し南北友好ムードの中、水面下では北のスパイ工作による諜報戦が続いていた。南の諜報部員、ユジョンヲンは恋人イミョンヒョンとなにげない生活を送りながらも、北の動きを探っていた。そして北の第8部隊が液体爆弾を奪い大変なことに。
この俳優さんどっかでみたな~、韓国だしと思って調べると、やはり八月のクリスマスと同じ俳優さんだった。この人八月のクリスマスではかなりいい表情で、こういうほのぼのしんみり系が異様に似合うなと思ってたんだけど、本作のように熱い漢のドラマで見せる熱い表情もバッチリ決まってます。
あえて言えば、ハリウッドの一級エンタテイメントアクション映画を意識したつくりで、見せ場の一つに長回しのガンアクションがあるところなんか、またいろいろな面で都合良くいくところなんか、さらにそうはいっても話に一本筋が通ってるところなんか、ほんとによく作ってあると思う。なかなか真似しようと思ってもこうはうまくいかんもんだ。
物語の冒頭で見せる、ミンヒョンの思わせぶりな表情や言葉、そして彼は南の諜報部員、言ってしまえば前半で読めるんだけど、この読めるというのがよかった。読みが裏切られたらそれはそれでおもろくなるし、また読み通りでもラストに納得のできる結末さえくれれば、それこそマンセー!!
アクション、アクションで追い打ちかけて、ラストに感動→モノローグ。このパターンはパターン化されようがなんだろうが、話がよければ抜群におもしろいものです。シュリの場合、まずバッキンバッキンに鍛えられた北のスパイの決意めいた意志の強さを見せつけ、そしてわかっちゃいるけどミンヒョンの弱々しい表情とその実との落差、またそれに対抗するジョンヲンも南の諜報としての意志の強さ、熱いハートに漢のドラマあり、最後ミンヒョンも漢になった!
ハリウッドがたまに見せる冷静なアクションとは対照的なこの熱さ。そりゃあハングルでウンジャカ言われるといやでも熱くなります。多少の変な部分とか理不尽さは熱さで吹っ飛んだ。
映画が終わった直後、突然「男の力こぶシリーズ!!」とかって、ドルフラングレンとジャンクロードバンダムという2大超B級スターの映画宣伝が始まった。熱さにまかせて突っ込んだのかもしれんが、モノローグで熱さは冷めとるんです。もう遅い。でもこれとシュリが同列と考える配給会社はどうかと思うぞ。

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