マグノリア ★★★★☆

警官と彼に訪問されたコカイン女、その女の親父でカリスマクイズ司会者、そのクイズ番組にでている天才少年、昔でてたけど今はバカでゲイの男、一方で死にかけた老人とその若い妻と主治医、そしてその息子は売れっ子ビンビン作家、、、という話。
↑。なんのこっちゃわからんでしょう。でもそうなんだな。この映画はこれらの人々の偶然の連なりをストーリーの主軸としている。それぞれにそれぞれのストーリーがあり、そしてそれが一応偶然という形で関連している、そういう点では最後近くまで彼ら一人一人の心情も画面で出して、非常に雑というか、当たればもうけものだけどもそれでいいんじゃねえのというような作りだった。
しかしラスト、ここでとんでもないギミックがあるんだが、これはもちろんいきなりこんなバカにしくさった展開だったので見ている側も爆笑したろうが、見終わってからすごぅく後味悪いものとなった。それまではわけがわからんながらも、一応人間の心情を描くという点でストーリーはまっとうに進行しているわけだ。それも普段何かによって遮られる感情を、一度に多くの人間が噴出させてるわけだ。心理描写としておもしろくなりがちな展開だと思う。それがいきなりギミックで寸断され、そしてまたラストのラストに心情描写に戻る。じゃああのあれの偶然のギミックはなんなの一体と、ただバカ笑いのためかと、正直そういう煮え切らない感覚になるのです。
なので話としてはぼんやりとした「雰囲気で稼ぐ」タイプの映画だと思うが、それが突き抜けきれず途中へんなおもしろを入れたのが、映画の後味で最悪な状態を招いたような。もちろんその場面はおもしろいんだけど、映画全体に対する効果は逆のマイナスだと思う。
作品自体は平均の★★★だけども、ジュリアン・ムーアが「ファック」やら「コックサッカー」「プッシー」とか汚い言葉を連呼してたのがおもしろ要素としてプラス1。

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