金環蝕 ★★★★★

チョビヒゲガッハッハな政治家と金融屋とマスコミの話。
故小渕元総理大臣のころから段々と薄まってきているようだが、それだけに逆にガハハ系の政治家がよく区別がつくようになってきている。たとえば竹下政権の頃、ガキだったので細かくは覚えておらんが閣僚という閣僚はガハハだったと思う。鈴木ムネオなんてあんなもん甘い甘い。表にしゃしゃり出てくるだけガハハ気質が足りない。ガハハはやはり、表面的には誠実を繕ってはいるものの、料亭に行ったら両サイドに姉ちゃんを座らせて両手で乳を揉みしだいているべきだし、それができるのがガハハの証だ。
そしてまたそういうガハハを相手にする企業家も平気で顔を使い分けられないと身が持たない。西村晃がダム特殊法人の社長を料亭に呼んで、裏取引をねじ込むシーンの変な踊りと髪の乱れっぷり、あれがこの映画の象徴的なシーンだ。
昔はこういうことが公然と行われ、それが記録に残らず当人たちの記憶に眠ったまま、死とともに永久に葬られてしまう。そして今はそういう時代と、それができなくなった時代との中間点にあるだけに、今後どうなるかはわからんが、まあ時代の産物とはいえ日本らしい大作映画だった。
ただ最後、映画の主題の関係上どうしたってガハハ側を勝利させなければならない制作者側の意志があったのはよくわかるが、新聞社社長が闇に葬られるシーンはかなり無理がある。あそこだけ釈然としねえんだよなあ。終わりはよかったが。

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