マイノリティ・リポート ★☆☆☆☆

205X年予知能力を使った犯罪予防組織の捜査官の日常をしんみりと描いたほのぼのとする話。
SFと近未来世界というのはSFというものが存在するようになってから未だにまたこれからもずっとおそらく蜜月の関係を続けていくわけで、そのうちリアルがSFを越えるときまで続くんだろうが、それまではどうやってもテクノロジーを駆使した技術者の自己満足を、アクションシーンorカーチェイスシーンの長回しという形で強要されるらしい。
でそういう「現時点でのテクノロジーお披露目タイム」も、昔はお手軽にCGなんてわけにはいかなかったから、でかいハリボテであったり、特殊メイクであったり、「無理ならアイデアでなんとかしろ」精神があった。今最先端のテクノロジーというといわゆるCGになってしまい、現在のテクノロジーレベルだと「微妙に何でもできる」という段階のようで、正直そういう感じがかわいらしいというか、決定的にどきどきわくわく感がない。これはなにも映画だけではなくて、CGが絡んでくるようなビジュアルを用いたエンタテイメント(ゲームとかアニメとか)に共通する感覚で、例えばゲームの場合でも制作者側はかなり気合入れてオープニングCGを作っても、普通最初からすっ飛ばされるし、まあよくて一回見てもらえるだけだ。しかも数年経過してそのCGを見てしまった場合はさらに「まぁかわいらしい」感が増幅されるという悲しい運命が待ち受けている。それでもまだCGを使っていくのはなんなんだろう。
映画でも同様に、具体的この映画だとアンダーソンが犯人扱いされて逃げる場面の長回しは振り返ると何の意味もない。強いて言えば「SFだから」という究極的な理由になってしまうので、ここ数年はSF自体を避けた方がよさそうだ。また何らかの大革新があれば、おもしろくなるであろう。
肝心の映画の中身だが、開始直後のニュアンスで伝えていくスピード感はかなりよかったんだけども、主人公の捜査官が謎を追い求めていくという御都合満載な前提に、なんかしらんがちょいちょい観客を笑わせにかかってるようなおもしろシーンがチラホラ挿入されてあって、またその謎自体もすげえ緩くて、最後までストーリーに引き込まれるということがなかった。登場人物にキャラが無くて、展開もバタバタしてるというのがでかい。確かに「おお」という展開が見えそうなシーンもあるんだが、そのたびにおもしろや丸わかりの布石などに萎えさせられ、「おめえこれこいつがガキさらったんじゃねえの」と思ったらその通りだし、「つーかこいつがアガサの親殺したんじゃねえの」と思ったらまんまだし、正直うんこだった。プルコギ達がたまにうっさいのが単純におもろいぐらいか。
久々にドリームワークスの糞を見た感じだった。

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