最も危険な遊戯 ★★★★☆

国防システムの巨額な受注を巡って二つの企業が争う中、一方の企業の社長がもう一方の企業とつながりのあるギャングに誘拐された。そこで、誘拐された側の企業の会長が殺し屋鳴海昇平(松田優作)に、社長を取り戻すよう依頼する。しかし事態は逆に進展し、鳴海自身が狙われるハメになるが・・・。
松田優作の魅力が堪能できる作品。つーかそれだけ。十分それで満足できる。まず優作がもつ独特の雰囲気、いかにも殺し屋みたいな雰囲気で十分。「野獣死すべし」ではキレ役だったが、こういうバックボーンを感じさせない殺し屋みたいな役は、純粋にアクションを楽しめるのでいい。
前半ではガンアクション。かっこいいとしかいえない。で、後半は走る。松田優作の走る姿は本当に様になる。もうなんというか、これがオーラかという感想です。「ここのところがいい」とかでなく、走る姿全体で見てかっこいい。まあ話の内容でなく、松田優作ありきでどうしても観てしまう。それはそれで満足するんだからしょうがない。

中国の鳥人 ★★★★☆

宝石の鉱脈を探し、中国奥地の辺境目指す和田と、和田の上司の借金取りで中国くんだりまで追いかけてきたヤクザ氏家が、ウサンクサ通訳とともに辺境にやってきて、あまりの美しさに世知辛い現代社会に嫌気がさす、こんな感じの話。
この類の感動は好きだ。涙なしの感動。感動物語では登場人物に泣かせて、観る側にも涙アリの感動をある種強要するというか、ここは泣かんといかんやろうみたいな場面をつくりだすものもあるんだが、というかこういう風に考えてる時点で感動するに値しない人間なのかもしれないが、そういうの嫌いです。
この映画のように、じんわりとした感動を与えてくれる作品は意外に少なく、テレビ番組なんかでも変なタレントを辺境の地にホームステイさせて、同じ様な感動を作り出そうと必死だが、如何せん映画は見せ方が断然うまい。鳥人学校の先生の歌は、英語のような中国語、過去と未来をつないでいるような感じで、素直にしびれる。
通訳のやつがわざとかどうかはわからないが、とんでもなく胡散臭い日本語を使うのでかなりおもろい。本編とは関係ないけど。
最後には鳥人が空を飛んでいるシーンがあって、そう、あれは飛べなきゃダメなんだろう。どうもこの辺境の村の生命線、文明と非文明との分かれ目はこの鳥人の存在らしい。そのつなぎ目がかつて世俗にまみれていた氏家というのもなかなかオツな終わり方だ。

人間の証明 ★★★★☆

ファッションデザイナー八杉恭子はデザイナーとして絶頂期にあった。その折、ある黒人男性がファッションショー会場のエレベーターで死ぬ。手には詩集。麦わら帽子の遺留品。「キスミー」「ストーハ」などの言葉を手がかりに、刑事棟寄(むねすえ)が黒人男性の素性を知るため渡米する。
話が進むに連れて、登場人物それぞれの過去が実は折り重なっていたという、「おお!」なんて思ってしまう話の作りにまず飽きがこない。棟寄が自分の過去の傷に直接でなくガラス越しにケリをつける、この辺に棟寄なりの人間としての理性、まさしく人間の証明があってグッときた。
映画の中で何度となく詠まれる西条八十の詩、それを棟寄が八杉恭子に向かって「かあさん、あのむぎわらぼうしどうしたでしょうねえ・・・」と語りかけるんだが、優作独特のズ太い声が哀愁を誘う。そう、とにかく悲しい人の総マクリなのである。
しかしこの映画はなんと言っても「ジョー山中」だろう。どんな人かは知らんがこの映画の主題歌「ママァ~、ドゥユゥリメンバァ~」このフレーズは耳に残る。残りすぎる。というかこの映画のテーマにぴったりの主題歌なので、異様に耳に残ると言うことだ。
ラスト、丘に立って真犯人を逮捕しようとするときキーアイテムの麦わら帽子が空に舞い上がるシーンは印象的だった。
話は面白いし推理の積み重ねなので間延びしない。ただ「野獣死すべし」を角川作品、松田優作作品両方で見ても最高傑作と思うので、どうしても★はひとつマイナスせにゃならんな。

四角いジャングルPART1-3 ★★★★★

ストーリーはない。
『映画とは何か』という問いに対して、それはもう一冊本が書けるくらい深い問いではあるけれども、簡潔明瞭な答えは『映画館で上映されるもの』で足りる。そういう意味ではこれもまた映画の方法としてアリなのだろう。
この映画・・・・というか映像は、梶原一騎先生の熱い情動と、当時のプロレス・格闘技ブームとが重なってどうやらやってしまった作品らしい。これが映画として成立する、要するに『梶原一騎な時代』って凄い。基本的には当時盛り上がっていたアントニオ猪木の異種格闘技戦やマーシャルアーツがメインなんだが、映像ごとに前後のつながりがなく、ブームに任せて撮影したものを思いついたままに映像化したような感じで、映像ごとに脈絡がなくまたナレーターの鼻に抜ける声がシュールさを演出している。順を追ってみよう。
オープニングでは、ウィリー”クマ殺し”ウィリアムズが登場。クマとの対決映像は何度となくみたことがあるのだが、あれはたぶん「サーカスのクマとじゃれあっている変なカラテカ」だ。
突然画面が変わってイノキ・ボンバイエvsモハメド・アリ。この試合はよく知られているように、度重なるアリ側のルール変更要求(当然ボクシングに有利)をすべて受けたイノキが、最早ローキック(のちのアリキック)しか方法がなかったという、歴史的凡戦だ。
また画面が変わってフジシマ登場。この人がタイのムエタイ王者を破る。
また画面が変わってマーシャルアーツチャンプ、ベニー・ユキーデ登場。ベニーは敬虔なクリスチャン。でもぶん殴る。この人は当時かなり有名だったぽい。彼のKOシーンは凄まじい。
そしてなぜか当時の若者の話。ナレーター「今若者達の間では、格闘技が静かなブームである。青春の溢れ出るエネルギーを格闘技にぶつける若者、また格闘技に限らずさまざまなスポーツ、そして日本の伝統芸能、みこしの中にも若者達のエネルギーは大きく羽ばたいている。」・・・・みこし!?なんでみこし・・・・。そう考えているうちに延々とみこしを担ぐ映像。しかしなんで・・・。
みこしから急に新日道場・・・。そしてこの後イノキの異種格闘技戦がいくつか見られる。あとアンドレザジャイアント戦も。
実際見る価値大アリ。昔の埋もれた異種格闘技戦の映像は恐らくもうこの映画でしか見れないし、みこし映像笑えます。
以上がPART1の内容である。PART2・3も基本的な方法はかわらず、例えば2はマーシャルアーツ・ムエタイ・空手のような打撃系を重視したり、そんな感じ。
PART2では極真の演舞も見れる。大山マスタツの手刀ビール瓶割、とか。

ロリータ ★★★★☆

ある大学に教授として招かれた作家が家を探していた。部屋を間借りする事になったのだが、その家の一人娘ロリータに惹かれ、やがてそれは異常な愛情の形になってしまう。恐らくこの映画がロリコンの語源なのだろう。
この作家のオヤジはまさしくロリコンである。つまり少女に異常な愛情を注ぐのではなく、ロリータが好きなのである。この異常な愛し方は滑稽を通り越して怖い。その理不尽な言動にロリータが抑圧され、それでもロリータはこのオヤジに付いて行くんだから、ブチ切れきれないロリータにヤキモキしてしまう。
それぐらいこのオヤジの異常な愛情は甚大なものである。逆に言えば今の一般的なロリコン野郎ども、ただ少女が好きで、少女という総体に興奮を覚える程度の輩どもは、この”ロリータ”コンプレックスオヤジから言わせれば、ロリコンという言葉を使って欲しくないぐらいその純粋さにおいて足下にも及ばない。このオヤジのロリータへの純粋さは人殺しも辞さず、ぐらいの勢いである。
純粋の中には必然、不条理が伴い、また純粋が故にその不条理をもネジ伏せてしまう力を持つ。これは永遠のテーマでもあり、人間のおかしさ、怖さの本源とも言える。キューブリック最高!

ソナチネ ★★★★★

その外面的狂気によって、組にとって目の上のコブであるヤクザ村川(ビートたけし)は、沖縄にある系列組織の抗争事件の援軍として行くよう命じられる。即手打ちかと想像してたのとは違い、抗争は次第に激化してゆくのであった・・・。
ヤクザモノ北野映画ではこの作品が一番だろう。少し時代は錯綜するが、「その男・・・」や「HANA-BI」、これら北野ヤクザモノはいわゆるヤクザモノによくあるドンパチがメインの切り口ではなく、ヤクザやらはみ出し刑事やら、死が日常にころがっている背景をもとに、生の歓喜・受動性と死の刹那さ・能動性とを対照的に描く心理描写が共通する点だ。
本作で特に印象深かったのは、死の刹那の象徴的な部分を用いるのみならず、生の歓喜をたっぷりもりこんだ所である。日常的に生死が近くに存在するヤクザ、その生死すらオモチャにしてしまう彼らの行為には、その生を満喫している行為にはリアリティが感じられる。見ていて本当に楽しい。ニヤニヤしてしまい、そのニヤニヤする自分がいい感じだと思ってしまう。
逆にいうなら、反面的に描かれる死にはリアリティがないということだ。それはそうなるはずで、こいつらヤクザはいちいち悲しんだり、「○○~」とか叫んだりもしない。それが当たり前のように処理されてしまう。映画なれば可能なことで、もはや一般の理解の範疇ではない。
むしろこういう刹那の部分は、生の歓喜を描く、たとえば今さっきフリスビーで遊んでいた奴が今はもう撃ち抜かれている、そういう刹那にはリアルはなく、それまでに相撲を取ったり(あのシーンは最高にいい)、空き缶で遊んだり、穴に落ちてる彼がシンクロでリアリティを感じる、そういうために用いられている気がしてならない。
だから本作の構成として、まず死を見せつけ、そしてしばらくは生の歓喜に酔い痴れ、また死によってその終止符を打つという方法がとてつもなく美しく思える。追い討ちをかけるのが久石譲の音楽と無駄のない作りだ。セリフの絞込みとマクロな画面はお馴染みだろう。
とまあ書いたが、これもまた映画的非日常の話。普段からこんな風に生死をさまよってキリキリ生きるような生き方は残念ながらできないようだ。せいぜいファンタジックな世界で死生観を巡らすのが関の山だろう。しかしこういうのは、人間としてかなり重要な部分だと思う。

ジャッキーブラウン ★★★★☆

銃の密売屋であるオデールの周りには愛人の女、相棒、そして現金の運び屋のジャッキーがいる。そのジャッキーが現金運びの途中に捕まってしまう。自分の事をあれこれチクられることを恐れたオデールは、保釈金融業者をつかってジャッキーを助け出す。そしてジャッキーとオデールは、彼の全財産50万ドルを運び出すためにある計画をブチ立てるのだが・・・。
クエンティン・タランティーノ監督作品第3弾。
第1弾の「レザボアドッグス」をまだ見てないのだが、パルプフィクションと比べると、なんだかスピード感が感じられない。かといって面白くないわけでなく、最後なんかよくできた話である。しかしあの、「どうでもいい話の連発」とか、「不条理」なんてものがあんまりないのである。ただそこはタランティーノ作品、表面的にはないが各人それぞれが身勝手な「カスの主張」を持っていて、それがてんでバラバラ、最後には一気に吹き出してしまうという、エッセンスは感じられる。
時間軸のずらし方など見せ方のうまさは相変わらずだが、見終わって率直に「スゲェな」とは感じない。なんかフツーの感じなんである。だけど面白い。今回は自分の好きな音楽をいっぱい入れてきたような気がする。
しかし俺はタランティーノにタランティーノ的なものを求めるのである。パルプフィクションの印象があまりに強烈だから、またそれが残ってるばっかりだし、それも仕方ない。

記憶のみ

基本的に記憶に頼って、印象で書いてます。それでもよく覚えてないのはごまかす。そんな感じ。




プラトーン


オリバーストーン監督はベトナム戦争経験者らしい。映画の前半は、夜とか雨とかやたら暗いイメージがあるんだが、まさにそれが戦争のイメージだろう。部隊長(ウィレム・デフォーだったっけ)が仲間を暗殺するシーンが象徴的だ。戦争は負の感情しかない。




フルメタルジャケット


スタンリー・キューブリック監督作品。戦争戦争してなくて、泥臭いイメージがない。どっちかといえば、訓練シーンの方が印象に残っている。鈍くさいブタ野郎も、幻想に酔いしれればフルメタルジャケットを着ている気分になれる。そう、戦争は狂気になった者勝ちだ!よくわからんけど。

あとこの映画の字幕の言葉使いがかなりイケてて、もうめちゃくちゃなスラング連発でそれだけでも楽しかった。そういう意味では日本語吹替版も観てみたい気がする。




無能の人


竹中直人監督・主演作品第一弾。原作つげ義春。つげ作品独特の厭世的なようで実は現実主義的、そういう内容の原作を受けてどんな風になるのか結構期待してたが、まあいい感じにダメぶりがでている。ラストの100円でおんぶして川を渡る仕事のシーン、石屋も川渡り屋も幻想であって現実でない、そりゃそうだなと思い知らされた。




119


竹中直人監督・主演作品第二弾。はっきり言って印象薄い。どんな人が出てたかも覚えていない。浅野忠信も出演していたらしいが、本当に覚えがない。つまらんっちゅうか、なんか知らぬ間に終わった感じ。 




シャイニング


スタンリー・キューブリック監督作品。イカレたオヤジが自分の息子をぶっ殺そうとして鬼ごっこを始めるハートフルコメディ。その実、自分の精神力の弱さを「不気味なホテルのせいだ」とかってブチ切れてしまったしがないオヤジの鬼気迫る表情が印象深いイカレホラー作品。おもろい。 




プライベート・ライアン


ノルマンディー上陸作戦を描いた映画。過去には「史上最大の作戦」という作品があったが、本作は、上陸後ライアンを探す過程での軍人の心理描写が中心となる。全体としてかなり面白かった印象がある。最初の上陸シーンが、実際あれだけすさまじいものだったのかどうか、あれなら精神ねじ曲がってもしょうがないと言えるくらいリアルな戦争シーンです。ホントすごい。




トレインスポッティング


ヤクを喰ったアホが、アホ丸出しの行動でアホな結果を招くというスペクタクルアホ映画。音楽、映像感覚などスタイリッシュなんだろう。便器につっこんでいくシーンはさすがにオエーときた。これはもう一度じっくり観たい。




ゴー・ナウ


トレスポにも出演したロバート・カーライル主演。確か硬化症で絶体絶命の男の愛を描く作品だが、たぶん感動した。




女と女と井戸の中


期待はずれ。盛り上がりどころがない。ラストもなんかうやむやになって終わった感じだし。2時間損した。お前らが井戸に落ちろ!




ブラス!!


イギリスの炭坑の街のブラバンの話。ラストはさすがにウソーて思ったけど、こういう映画にツッコミは無しだろう。炭坑労働者のオヤジどもがいい味出してた。結構観れた。




アミスタッド


いかにもハリウッド的大仰な物語である。奴隷の所有権を巡ってケンケンガクガクやって、それがつまるところ奴隷の人権問題まで繋がってくるという、まあありそうなお話。しかし嫌いじゃない人が多いし、俺ももまあ嫌いじゃない。普通に楽しめた。




スクリーム


アホホラー映画。殺人鬼弱すぎ。




リング


数人で部屋暗くして、結構盛り上がって見ているところに酔っぱらったボケが絶叫して入ってきて、雰囲気がぶちこわしになった。ある意味そっちの方が怖かった。そのあとクライマックスだったんでよかったんだが、やっぱラストのサダコは怖い。




らせん


怖い。




ブレーキダウン


さんざん煽っといて、なんだ結局そうなのかよっていう感じ。最初は謎に包まれていた奥さん誘拐の真相は・・・思ってた通り。ふ~ん。




ブレードランナー


酔っぱらって観たので、よく覚えていない。一緒に観たヤツはかなり凄い作品だと言っていたが。オレは印象薄い。




オースティン・パワーズ


当時は「おバカ映画」なんつって一時期はやったが、今観たらどおなんだろう?結構やばいかも。でも面白かった。オースティンガールはかわいかったし。




インディペンデンス・デイ


ウワーっとなって、ギャーっとなって、プシュッと終わった。




ディープ・インパクト


ツナミシーンは圧巻。ああいう終わりもある意味ハッピーエンドね。




ヒート


アル・パチーノmeetsロバート・デ・ニーロ。確か観たのは高校の時だが、これは衝撃受けた。アクション映画として、ガンアクションとして最高だ!なんて当時思った。当時の記憶をとどめるために、もう一度見ようなんてことは考えない。




戦火の勇気


戦火の「ねじ曲げ」を題材にした作品。題名の勇気とは「ねじ曲げた」勇気なのか、「真実を話した」勇気なのか、それともメグ・ライアンの行動なのか、それはナンセンスです。




ショーシャンクの空に


多くの映画ファンがベスト3に挙げるであろう本作品は、確かにそれぐらいよくできた話だ。感動は感動でも、俺の好きな涙無しの感動なんだよな。多くは語るまい。




八日目


・・・・忘れた。




マイ・レフトフット


確か、生まれつき手が使えないんだったかな・・・?多分左足でなんでもやってのける障害者の話だった。伝記風映画だが、これはすごい人生です。




ザ・ロック


ある意味スパイ物ガンアクション。おもろい。




ミッション・インポッシブル


メディアがかなり盛り上げたわりに、あんまり・・・。そういう印象。




コン・エアー



筋肉ムキムキのニコラス・ケイジが頑張っている。これはおもしろかった。




フェイス・オフ


まずそのアイデアに当時魅了された。実際観てもすげえ映画だ。




隣人は静かに笑う


ハリウッド系大作商業映画で、一般的に正義というものを好む傾向にあるアメリカ人どもを欺いたようなラスト、それまでの展開にしてもどろどろとした嫌らしさが満ちていて、驚いた。




トゥルーマンショー


設定勝ち。あとジム・キャリー勝ち。




八墓村


出演者が豪華なだけで、テンション的には火曜サスペンスなんかとそんなに変わらない。ふつう。




バックドラフト


いい・・・・・という記憶がある。