スターリングラード ★★★★☆

1942年、ドイツに侵攻されたソ連軍のスターリングラードでの攻防。それに伴う各国のスナイパー同士の戦いの話。
まずおーいと言いたくなるのが、おまえら独人・露人だろうが。なんで英語話しとんのじゃと。
そこはまぁ、別に映画自体がおもしろけりゃ些末なことでないのと言われたらばそうかもしれんが、この言語というのは結構大事で、たとえば特徴的なイタリア映画やフランス映画というのはある意味それぞれの言語がもたらす影響というのがその映画全体のイメージを決定しているといってもいいほどのもので、で本作は、たとえば英語を話してるのに書いてる字はロシア語とか、もうそこがもんのすごく矛盾してるのです。これはかなり気になるし、ロシア人が「サウンズグーッド!!」なんてもう、おもいっっきり英語じゃねぇかよそれよと思うようなセリフをしゃべるので、ストーリーに入り込んだところがそこで一端途切れてしまう。これは凄くもったいない。
上のものごっつい矛盾を除いた部分では、結構おもしろい映画である。まず自分はメタルギアソリッドではできる限り狙撃で殺るのが好きだったし、ゴルゴは一巻も持っていないけど「ゴルゴ学」は持っているというほどのスナイパー好き、それにつけて本作ではスナイパー同士の緊張感ある戦いというのがとてもいい感じで、まず序盤の方でスナイパーの魅力というか狙撃を全面にだして、また最後もスナイパーの対決という構成から、後々が冗長になっても全体の印象としてはよくなるように作ってあると思う。
しかしまぁ、確かプライベートライアンもそうだったけど、この戦争映画というのの作りに冒頭が一番人殺しシーンが多いという印象がある。やはりポイントは冒頭とクライマックスの衝撃、これが見終わった後の印象を決定付けるということだろう。またそれがわかってる映画というのは観やすいし、観ていておもしろいものが多い。
ただスナイパー全開ではなく、天才スナイパーとそれを見いだした軍人、そして女の三角関係を持ち出した構成は見てて非常にハリウッドくさく、あれは正直いらんです。スナイパーの戦いが凄くいいだけに、よけいに邪魔に見える。それを差っ引いてもとても面白い映画だと思う。

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