Mykel And Carli

シーズンを振り返る1~プレミアリーグ~

アーセナルが38試合を無敗で優勝し、百数十年ぶりにシーズン無敗記録を作った。しかもかつての記録が22試合だったころのものなので、その記録が驚異的なものだということがわかる。確かに今シーズンもアーセナルは強かったし、アンリ・ピレス・ヴィエラのコンビネーションは今が絶頂なのかもしれない。

ただしキーパーはレーマンだったし、トゥレがなんとかはまってくれたもののCBは開幕当初穴とされていたので、この無敗記録はかなり運も作用していたと思う。記憶に残るものとしてはアウェイのユナイテッド戦(キーオンが出場停止になった試合)は終了間際のファンニステルロイのPKが外れたことが今になれば奇跡的な引き分けだったし、いくつかこれが入れば相手の決勝点となるようなシュートがうまいことゴールポストに当たるシーンも多かった。それだけトップリーグでの無敗(同じくセルティックも無敗を続けているようだがあそこはリーグ自体が2強でガチ)はミラクルであり、偉業だと言うことだ。

2位はチェルシー。開幕当初はオイルマネーで集めた選手が話題になり、同時に結果も残して唯一アーセナルと中盤まで優勝争いを演じたのは見事だった。ただその移籍組は、最も活躍すべきダフ・ヴェロンが怪我で長期離脱、最初の頃ははまっていたムトゥが段々下火になり、結局まともに使えたのはマケレレぐらいのもので、最終的には昨シーズンのメンバーの奮闘と熟成で2位とCLベスト4という結果を残したのは皮肉な感じだ。いずれにしろこの油チームは3年をめどに結果を見るべきだろう。来期ラニエリいたらの話ね。

3位はマンチェスター・ユナイテッド。こちらも油ほどではないがベッカムマネーでCHを厚めに構成し、右はCロナウドを起用する賭けが結果的には失敗したと言えるだろう。Cロナウド自体は当初リーグ自体の雰囲気になじめず、一人こねくり回して持ちすぎる場面も多かったが、段々とプレミアのスピードに慣れてフィットしていったと思う。問題はベッカムに変わり入ったCHのクレベルソンとジェンバ2が結局フィットしなかったことだ。またリオ離脱の後の数試合、代わりに入ったブラウンが不調の時に落としたゲームもかなり影響した。そういう意味ではこのチームも来期が楽しみではある。

以上上位3チームだが、今期のプレミアリーグの特徴として、アーセナルが突出したと言うよりも他がダメすぎたというのがある。上3つにニューカッスルとリバプールはせめて絡んで欲しい。

落葉の物語

たまっていたものを更新した。

03-04チャンピオンズリーグの決勝は結局モナコ – ポルトという、近年まれに見る地味な組み合わせとなった。ここ5年ぐらいはどこかのビッグリーグのビッグチームが決勝まで進出し、順当に勝ち上がってトヨタカップに来ていたのでチケットを入手する気すら起きなかったが、この2つならばもしかするといけるかもしれないと思わせてくれるのがいい。

そもそもこの2チームならば、ぽっと出で「あベッカム」とか「あカカ」とかならずに、それまでのCLでの戦いぶりを見てこないとトヨタカップも見る気起きない。唯一心配なのが、どちらにしろ夏の移籍でごっそりチームが様変わりすることだ。アブラモビッチがめぼしいのを根こそぎ持っていきそうで怖い。

最近のトヨタカップの相場はというと、大体チケットが平均1万円、これに「チケット予約番号」というチケットが買える権利が上乗せされるのだがこれがなんと平均して5~6万円。ペアで14万なら格安チケットで現地行って現地のダフ屋から適当な好ゲームを買った方がいろんな面で幸せだと思うが、これ買ってしまうやつがいるから転売目的のチケットゲット屋がはびこり、予約番号が釣り上がるわけで、モーニング娘でなくとも、どこの趣向であろうと変な方向に熱狂するばかたれがいるものである。

守るべきものは何か

少し補足しておこう。

2003-2004シーズンのアーセナルが優勝を決めた試合は同じロンドンに本拠地を置く対トッテナムとのアウェイ戦で、現在プレミアリーグに属するロンドンの5クラブ(アーセナル・チェルシー・フルハム・トッテナム・チャールトン)の中でもアーセナルとトッテナムはお互いに対抗意識が強い。

そしてアーセナルの守備の要であるソル・キャンベルはアーセナルに移籍するまで10年ぐらいトッテナムにいたという因縁がある。でそれが写真の横断幕。

つまり、「どうしてソル(キャンベル)はレーン(White Hart Lane
=トッテナムの本拠地)から去ったんだ?アーセナルがチャンピオンだからだ!43年前(トッテナムがリーグ優勝したのは1961年が最後)からいつまでも足踏みしてろ!」というダービーならではの優勝シーンなのです。

インサド

復活したしるしを少し

4試合中3試合が逆転試合、そのうち弱者VS強者の構図で大逆転が2試合。ルールがある程度完成されて100年ぐらいたつスポーツなのに賭けの対象として成立するのは未だにこういう番狂わせが普通に起こるからだろう。

結局ベスト4は、モナコ-チェルシー・デポルティーボ-ポルト

という、昨今の商業主義的スポーツ興業からするとあまり旨味のない組み合わせになった。雑誌の表紙に使えそうなスターらしいスターと言えば、現得点王のモリエンテスぐらいだ。これでもギリだし、日本人が一番好きなセリエのチームがないてのが痛い。そのセリエ喰いをやらかしたデポルだが、近年のダークホース的な立場からこのベスト4では最も優勝に近いと思う。

・・・とは言え本命の3つがこぞってベスト8で消えた今、どこが優勝してもそれはそれで番狂わせではないし、このデポル優勝は多分に願望が含まれている。アーセナルなき今、マウロシウバが現役であるうちにこのビッグタイトルを獲得して欲しい。

のぞきはやめておけ

Stuck On A Worn-Out Rhyme

どうでもいいが、最近やたらAtomic Swingを引くことが多い。モナコの奇跡、リアルタイムで見た人は相当興奮したろうなあ。

モナコ 3 – 1 レアル・マドリード

1-st leg 4-2というスコアが表しているように、結果的にはホームでは力でねじ伏せたマドリーだがこの2失点というのがかなり気になるものだった。先にも書いたが今期マケレレやらイエロやらが抜けたギャラクシーは負けないチームではなく勝つチームである。つまりアタッカーの調子(もうこのレベルになるとほんとに調子しか振り幅がないだろう)次第でチーム状態が決まってくる。こんだけ金かけて実績のある選手を前の方に集めたのに、CBにコンバートのイバンエルゲラとカンテラ上がりのまだ無名のメヒアを使っているあたりがわかりやすい。

開始早々ワンタッチでどんどん味方に回し、ボールをモナコに渡さなかった姿勢はいつものようなポゼッションの意識だった。序盤マドリーの両サイドバックはハーフウェイラインを越えたかなり高い位置をキープするものの決定的なシュートチャンスまでには到らない。一方ペースを握られたモナコもシュートらしいシュートもなく時間は経過する。この間ベスト4決定試合にふさわしく、両チームとも運動量の多いとばした展開になる。そして36分、ディフェンスからロングボールを受けたロナウドがジダンにパス、それをジダンがスルーしてラウルの先制弾。通常ホーム4-2でさらにアウェイ先制となると、UCLのレギュレーションでははっきりいってこの段階で勝負が見えるのが普通だ。ただし前述したように、ホームで相手に2失点されるマドリーにはそういう計算が立たない。要は守り倒せないので、ポゼッションを高めつつカウンターをケアするぐらいしかなくなる。よってモナコに全くチャンスがないわけでもなかった。

そして前半ロスタイム、モリエンテスのポストをジュリがダイレクトボレーで合わせ反撃の狼煙となる同点弾。予感を残しつつ後半へ。

後半開始からモナコはゴールへの意識を高めサイドから攻撃してくる。47分左SBのエブラのロングボールをモリエンテスがPAで競り勝ってヘディングゴール。やはりこのCBではモリエンテスとの競り合いには勝てない。この時点でモナコは後一点取ると1st leg含めて逆転してしまうことになる。

モナコの流れになったことで、両サイドもモナコが主導権を握る。前半左サイドで目立ったジダンーロベカルコンビはロテンーエブラコンビに取って代わり押し込まれ、この試合ロベカルが行く変わりに守備的になる右サイドのミチェルサルガドはすっかりモナコの左サイド攻撃の対応をさせられることになる。ここから決め手となったのは、モナコがリスクを犯し両SBとも積極的に攻撃参加したことだった。結局この後何本か放り込まれたイバーラからのクロスが決勝点を生むことになる。

66分そのイバーラのシュート性の速いクロスをゴール前に張ったジュリがヒールでコースを変えて決勝点。流れをものにしたのはモナコだったが、ここでまた相手がレアルマドリーであるというのが想起される。一方でこのチームは負けムードをねじ曲げられる力を持ったチームであるということだ。

ゲームのキーは、そういう自分たちの流れに身を委ねる決断が出来たデシャン監督の英断だった。勝ち越し後も守りに入らず、積極的な選手交代で意地でもねじ曲げられないように手を打っていく。一方ケイロスにはそういう手段がない。なんせスタメン以上というのはもちろん、スーパーサブ的な選手も持ち合わせていないため、結局無難な交代しかできない。結局やはりこのチームはその時のアタッカーの調子にすべてが委ねられている。

73分ロベカルのクロスにラウルが合わせてゴールするもオフサイド。85分GKのミスにラウルが決定的なチャンスになるも決められず。モナコはロスタイムにも露骨な時間稼ぎなどせず、最終的にはベタ足インファイトで王者に殴り勝った。

リーグアン侮りがたし!おめでとうモナコ。

Teenage Nocturne

デペドロがソシエダに見切り付けてなんとマンチェスターシティへ。また渋くなったなシティ。さておき4強が決まるぞ。

アーセナル vs. チェルシー (1st-leg 1 – 1)

同じロンドンに本拠地がある同士、プレミアリーグの延長のようにはなるが一つ違うのがUEFAルールであるアウェイ倍付け。おそらく過去数年にわたってチェルシーはハイバリーで勝てた試しがないのではないか。その前例からすると1st-legで引き分けたアーセナルにアドバンテージがあることは確かだし、後述するギャラクシーどもとの組み合わせを考えると、金満対決よりも「どっちが最強か」対決が見たい。なによりアーセナルファンだし、ここはがっちりアーセナル勝ち抜け。

モナコ vs. レアルマドリード (1st-leg 2 – 4)

モリエンテスの執念のヘッドがスコア上のイーブンをもたらした。つまりモナコはホーム1 – 0なら勝ち抜けてしまうわけだ。ただし相手はロベカルinベッカムoutのギャラクシー、簡単にシャットアウトはできない。相手が負けないチームではなく勝つチームであるというのがモナコにどう作用するか。モリエンテスの執念は実るのか・・・。かなり迷うがアーセナルとの相手ということを考慮に入れて、ここはマドリー勝ち抜け。

デポルティーボ vs. ミラン (1st-leg 1 – 4)

セリエの試合なんてまず見ないので普段のサッカーはわからんが、少なくともこのUCLで感じたのは、ピルロをあの位置で使えるというチーム事情の充実ぶりと、なによりカカ&カフーのフィット感。攻撃の多彩さ・守備の安定・伝統からして今年もこのチームが本命となりそうだ。勝ち負けよりも(これはもう見えてるしな)デポルがどうやってアウェイモードのミランから点を取りにくるかが見所になりそう。1st-legの貯金を活かし、ここはミラン勝ち抜け。

リヨン vs. ポルト (1st-leg 0 – 2)

判断材料があんまないんで、ここはどっちが好きかでポルト勝ち抜け。

で予想勝ち抜けチームは

アーセナル レアルマドリード ミラン ポルト

でどうだ。 てふつうか。次からは1st-leg前にやろう。

アーウーオジャママン

「6000人がデモに参加したら辞めるかも」とつい発言してしまったことで、そのデモが実際動き出している模様。この前の数十人規模のデモでさえ結構影響したんだから、これが実現するとマジで解任あるかもしれない。もっとも俺はそういう行動を客観的に傍観するほど代表に対して達観してはいるのだが・・。

しかしこの前の対シンガポール戦はひどかった。まず一つにフィジカル面の問題。ただこれはワールドワイドに問題になっていることで、高騰した給料を支払うため選手を使い回す結果、一試合ごとのクオリティは自ずから落ちる、というのはもはや自明。同じく予選を行った南米でも、ブラジルがしょっぱく0-0で引き分けたし(ただこっちは開始直後停電という、南米らしいおもしろハプニングがあったのでよし)、ウルグアイはホームでベネズエラに0-3の完敗と、確かに個人レベルのコンディションが上がってこないというのは一つあると思う。

次にやっかいな問題が、試合後キャプテンnakata.net師匠も指摘していたメンタルの問題だ。フィニッシュまでの形は作れるが肝心のフィニッシュでつまずき自滅してしまう、そういう時打開する最良の機会であるセットプレイも、腐った左足にまかせてノーチャンスのテンションどんずまりキックをかまされ、はっきりいってこの期に及んでチームになっていない。

敢えてメンタル面を追求するなら、いわゆる闘将がいないってのが、こういう問題が起きたときにうまく対処できずズルズルひきずっている理由の一つだろう。トルシエ時代も確かにいなかったが、実際トルシエ自体が闘将だったから問題なし、そのチームをある程度引き継いだ白いペレは「自由奔放にやったらんさい」と言っては傍観するばかり、ついに気持ちの面での核ができなかった。師匠はそのプレイで積み上げてきた現在のキャプテンというポジションにいるだけで、キャプテンシー故のものではないことは彼の性格を推し量れば容易にわかることだ。

いやプレーさえうまくいけば本来こういうものは必要とされない。レアルマドリーを見てみるといい、ケイロスは完全な傀儡でも、フィールド上の中心はジダンだけではないだろう。それぞれが高いレベルで「勝手にやってる」から最高の攻撃が機能している。逆に好対照がチェルシーだ。彼らもまた闘将を自ら生み出すことが出来なかった。

幸い視聴環境という点でオプションが増えたもんで、「おもしろいか否か」で価値を判断する傾向に現在はある。だから自国の代表がどうなろうと、たとえ一次予選でさっさと消えようと全く問題はない。たぶんこれが一周するかどうかはわからんが、ある程度突き詰めてからまた自国の代表そのものに関心が出てくるのかもしれない。いや・・・俺だしな・・・。その辺は超絶にドライだ。

TOBACCO ROAD

8強が決まるぞ。

ユベントス VS デポルティーボ (1st-leg 0 – 1)

1st-legホームでデポルが圧倒的に試合を支配し、また勝利したことでかなり有利になった。いかにユベントスが強豪とはいってもこういうでかい試合で手堅く引き分けられるデポルティーボに、中盤がわけわかんないことになってるユベントスは相当苦しむはず。バルサ・バレンシアに連敗したとは言えスイッチ切り替えてくるだろう。キーはマウロ・シウバとセルヒオがどれくらいできるか。てことでデポル勝ち抜け。

チェルシー VS シュトゥットガルト (1st-leg 1 – 0)

枠内シュートゼロでも相手OGでアウェイ勝利を得たことで、戦いは楽になったが今のチェルシーにアドバンテージはない。基本的にはやられっぱなしの1st-legを見るにシュツットガルトにも勝機はありそう。ただFAカップもプレミアも夢潰えたチェルシーに最後のチャンスを、アブラモビッチがブチ切れて油をそこら中にばらまくぞ、てことでチェルシー勝ち抜け。

マンチェスターU VS ポルト (1st-leg 1 – 2)

アウェイで1ゴール取っているので、1-0でもユナイテッドは勝ち抜けられる。ただ、リオもシルベストル(?)もキーンもいないとなると、ディフェンスどうするのと。とくに空中戦では負けまくり、不安定この上ない。がオールドトラッフォードでユナイテッドが一点取ることは、いかにチーム状態がズンドコとはいえやれるはず。キーはブラウン、オシェイあたりか。てことでユナイテッド勝ち抜け。

リヨン VS レアルソシエダ (1st-leg 1 – 0)

かわいそうなシュレルのOGでアウェイ先勝されたソシエダは厳しい状態だが、去年のような超攻撃的サイドアタックを見せて欲しい。キーはコバセビッチとシャビアロンソ。希望も含めてここは是非、ソシエダ勝ち抜け。

レアルマドリード VS バイエルンミュンヘン (1st-leg 1 – 1)

ホームでポロリもあるよ、ゴリラがアウェイゴールを許したバイエルンは点を取りに行くしかない。一方マドリーも元々攻撃重視だしホームゲーム、ここはがっつりした試合になりそう。ここのキーはズバリ、ゼ・ロベルト。リザラズが恐らくいない分左サイドの支配者となれるかどうか。うーーーん、、、やっぱアウェイゴールはでかい、てことでマドリー勝ち抜け!。

アーセナル VS セルタ (1st-leg 3 – 2)

アウェイで3点も取ってしかも勝っちまったとなればもう言うことない。このままチーム状態が崩れずうまいこといってくれたら・・・いやでもやっぱベスト8で御の字と考えねばなるまいな。この際主力休んで大先生とレジェスのコンビが見たい。当然、アーセナル勝ち抜け。

ミラン VS スパルタプラハ (1st-leg 0 – 0)

厳しいであろうミランの攻めに耐え抜いて、延長まで持ち込むとおもろいが。まあねえかな。ここはミラン堅いだろう・・・たぶんね。てことでミラン勝ち抜け。

モナコ VS ロコモティフモスクワ (1st-leg 1 – 2)

文字通りこれしかないロコモティフがホームでがっちり勝利キープ。ただユナイテッドーポルト同様、この試合1-0だとあっさりひっくりかえるというのも不安材料。じゃあどっちがまだまだ見たいか。・・・モナコ勝ち抜け。

で予想勝ち抜けチームは

デポルティーボ チェルシー マンチェスターU レアルソシエダ 

レアルマドリード アーセナル ミラン モナコ

でどうだ。

People are strange

スパルタ・プラハ 0 – 0 ACミラン

好きなチームはアーセナルだが、こういうヨーロッパのトップコンペティションでいい試合(おもしろい試合とは別)をするのは案外イタリアの強豪チームだったりする。つまりホームとアウェイで、あるいはスコア上のアドバンテージ・ビハインドで全く戦い方を変えてくるので、単純にチームのポテンシャル比べではなく、「背景を伴った一つの試合」を見た場合の印象はかなり違ってくる。さらにこれに加えて強者VS弱者の組み合わせになるとより顕著に現れるものだ。てことでこのROUND16では、当然勝つであろうアーセナル – セルタよりも気になる試合がこのスパルタプラハ-ミラン戦だった。

第一戦目はスパルタ・プラハのホーム、こうなると弱者側とは言え点を取りにくるプラハに対し、ミランがどう受けるのかがまず見るべき所だった。プラハは圧倒的弱者とは言えず、まがりなりにもROUND16進出チーム、戦う武器は持っている。右サイドのゲームメーカー・ポボルスキーを中心に、これにザレンカとトップが絡む攻撃がグループリーグでも印象的だった。

前半スパルタ・プラハはボールを奪うとまずトップに当てて、そこからの変化でとりあえずなんとかしてみる(中盤がこぼれ球を拾えたらもうけものぐらいの感じで)ダイレクトプレーを主体に、非常に明快な攻撃を繰り返す。極端な話100回同じ事をやってそのうち1回相手がミスれば、それをチャンスに出来る自信ぐらいはあったのだろう、こういう単純な決まり事をチーム一丸でやるというのが弱者の取る方法として有効だと思う。これに対しミランはその一回のミスもありえないほど、CBマルディーニとコスタクルタの跳ね返しは安定していた。加えて前半は両SBがほとんどあがらずディフェンスに専念していたようで、このロングボールに対して隙はなかった。ただ、その跳ね返りをうまくザレンカあたりが拾ってくると面白い展開になる雰囲気はあった。

後半は逆にミランの一方的な展開になる。もともとアヤックスばりの速いパスを主体とする、イタリアの中でもイタリアらしくない試合展開を好むミランだし、それを可能にするメンバーだがこの試合ではカフーとガットゥーゾのキレがよく、強力な攻撃を見せたが結局スコアレスドローで決着、次回ミランホームの試合に勝敗は委ねられた。

解説の宮内氏もかなり指摘してたがプラハのディフェンスラインがどの程度の位置取りをキープできるかで試合の流れは大きく変わった。前半のようにより高い位置をキープし、ゴールキーパーも含めたディフェンスができる時は、ボールが両チームを動き回る密度の濃い試合、一方後半押し込まれた場面ではオフサイドトラップを仕掛ける場面が多かったように、守備の方法が違ってくる。次回ミランホームではこういう展開がずっと続くのだろうが、ここでカウンター一発決まればどう転ぶかはわからない。またその一発を決めれるぐらいのゴール前までのボール運びと、チャレンジは可能であることはこの試合で見ることが出来た。UCLを知り尽くしたミランと、そういうミランに対応した戦い方を考えてきたプラハの「チームではなく試合を見る試合」を感じさせたいいゲームだった。

銀子の唄

もうすぐ予選があるらしいが、やっぱどうもこの、興味が湧いてこねえ。これは2002年の頃からだんだんと自分の中で大きくなった感情であり、また昔から持っていた感情でもあるからそれの確認になるのだけれども、○○の代表だから・・・という結びつきはかなり薄い気がする。好きな選手もいねえし、みたい選手もない、それでもこれまで持ちこたえてこられたのはまず海外リーグという代替があまりにも遠い存在であったこと、また曲がりなりにもこれまでの代表には目指そうとしてる地点があり、その過程を楽しむのもひとつ含まれていた部分があるからだ。ただそれさえ2002では、トルコチームという存在によって簡単に捨て去ることができるほどユルい結びつきだったと思い知らされた。

これはなにも、今の代表を応援してるやつはアホだと言ってるのではなくむしろ逆に俺がアホというか、アホなわけで、なんつーかさっき昔と書いたがこれは高校の頃、なんか知らんが当時所属してた高校が甲子園に出場しやがったため、初出場だったもんで全校総出で応援しに甲子園まで行こうと、これはわかる。つーか応援に行けるというのがうれしいわけではなく、ただ友達と神戸あたりに夜行バスで行けること自体がうれしかっただけで、正直野球は見てもいいけど甲子園とか別興味ねえしなぐらいの感覚だった。

でその初戦で勝ちやがったものだから、次からタチが悪くなる。そのまま全校生徒が止まるほど寄付金もねえし、主要メンバー(このへんの人材選びもうさんくさいんだが)だけ残してあとは郷里へ、なんと2回戦は半強制のテレビ応援のようなものになる雰囲気だった。

ここで待てと、そんな普段野球なんぞにな~んも興味ないくせに、なんやおまえ自分が所属しとる高校がテレビに出てたら諸手をあげて応援つうのができんのかよと、おまえらアホか、じゃあなにかあの神戸に行ったときのポートピアランドでのはしゃぎ様は半笑いかと、もう半分は微妙に甲子園の応援のワクワク感コミコミかと、そりゃもう理不尽きわまりない感覚に陥り、幸いに半強制だったので俺ともう一人だけ、ついにテレビ応援はしなかった。

つまり、そういうシンボル自体が求心力となるのはよっぽどでないと無理ある気がする。これは確実に損な性分なんだけども、正直な気持ちなもんでしょうがない。てことでFAカップ見よう。